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東海大冒険

多分エッセイ的な雑記

レフト 鈴木尚広

full-count.jp

鈴木尚広の魅力は40近い年齢にしてその足だけでなく、守備でも貢献できるところにもあった。外野手にとってセンターを守れるか守れないかというのは起用法の幅にも大きく影響してくる。単純に守備が下手、足が遅い、また元々守備力は高かったが怪我の影響で守れなくなったなどセンターを守れない選手の理由は様々である。亀井などは守備力は球界屈指で昔はセンターで先発などもしていたのに足の状態を不安視され近年はずっと両翼での出場に留まる。鈴木より5歳も年下であるがおそらくもうセンターを守ることはないだろう。代走に出てそのままセンターに入れるという使い勝手の良さが鈴木が一軍枠を勝ち取り続けてきた要因でもあった。

ただし、晩年はその守備固めで起用される位置が変化していった。ヌルデータによれば今年の鈴木は44試合の出場で、守備についたのは27試合。その内訳はレフト25試合、センター2試合。鈴木ほどの足を持った外野手がセンターではなくレフトを守っている。ヌルデータの過年度版を見ながら鈴木の守備についた位置を遡っていくと

 

2007年 センター82試合

2008年 レフト2試合   センター92試合 ライト1試合

2009年 レフト10試合 センター100試合

2010年 レフト31試合 センター24試合 ライト4試合

2011年 レフト13試合 センター52試合

2012年 レフト21試合 センター61試合 ライト1試合

2013年 レフト51試合 センター25試合

2014年 レフト45試合 センター16試合

2015年 レフト30試合 センター16試合

(先発、途中出場なども合算)

2012~2013年を境に起用法がセンターからレフトメインへと変わっている。2010年もレフトでの起用が多いが、単純にラミレスに替わっての守備固めと松本がいない時のセンターを守った長野がレフト守備が下手でそちらに回せなかったというのもあるだろう。

確かその頃の中日戦だったか、サヨナラのピンチで浅いセンターフライでタッチアップした三塁ランナーを鈴木が刺せなかった試合があった。それまでは松本がセンターにいても彼をレフトに回して鈴木がセンターを守っていたのに、その試合を機にレフト鈴木センター松本という守備固めのパターンが形成されていった。その後立岡や橋本などセンターを守る若手が登場したこともあり、守備につくときはレフトが「定位置」になっていった。

守備が下手だったわけではない。2008年にはゴールデングラブにも輝いている。守備力が衰えたわけでもない。年を重ねてからもその走力はセンターを任せるには十分にあり、時折その守備範囲を生かした球際の強さも見せてくれていた。ただその弱肩がネックとなりセンターのポジションから追いやられてしまったのである。レフトを守る鈴木を見る度に違和感と何ともいえない寂しさを感じてしまっていたのである。

代走屋として確固たる地位を築いた鈴木尚広。しかしその陰でセンターの守備固めの地位を奪われてしまったことはどうしても残念に思ってしまう。そしてそれは39歳でそういうことを思わせる鈴木がどれだけ凄い選手だったかを改めて示すことにもなるのだ。